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遺産相続コラム

土地の相続に悩んだら知っておきたいこと|土地相続の基本を解説

2023年10月16日
  • 遺産分割協議
  • 土地の相続

土地の相続に悩んだら知っておきたいこと|土地相続の基本を解説

相続財産に土地が含まれている場合、立地や用途によって相続するかどうか悩むケースは少なくありません。

住居用の土地を相続すれば、自宅を建てたり第三者に貸し出したりできるなどのメリットがありますが、土地によっては活用が困難で管理や税金が負担になるなどのデメリットもあります。また預貯金と違い、土地の分割を公平に行うのは難しいことも多く、相続人間で争いが起きないためには、慎重に進めることが大切です。

今回は、土地を相続するメリット・デメリット、相続人間で土地を分割する方法、相続登記や相続しない場合の手続きの流れについて、ベリーベスト法律事務所の弁護士が解説します。

1、土地を相続すべきか悩んだら押さえておきたいメリット・デメリット

土地の条件によっては、相続がメリットにならないと悩む方もいるでしょう。土地の相続を検討する際には、メリットとデメリット、両方の視点で客観的に検討することが大切です。

  1. (1)土地を相続するメリット

    土地を相続することで得られるメリットとしては、以下のような点が考えられます。

    ① 自宅を建てることができる
    希望するエリアの土地を相続できれば、自宅を建てる土地として活用するのもよいでしょう。相続した土地に自宅を建てることによって、土地の購入費用やそれに伴う不動産取得税などを節約することができます。

    ② 土地活用によって収益を出せる可能性がある
    自宅を建てる予定がないという場合には、第三者に貸し出すこともできます。賃貸アパートを建設したり駐車場にしたりするなどして貸し出すことができれば、毎月安定した収益を得られる可能性があり、資産運用としても有効な手段といえます。

    ③ 売却して現金化できる
    相続した土地を売却することで現金化することもできます。また、地価が上がるような人気エリアであれば、相続した時点の価値よりも高額で売却することも期待できます。
  2. (2)土地を相続するデメリット

    土地を相続することによって、以下のようなデメリットが生じます。

    ① 税金がかかる
    土地を相続した場合、毎年、固定資産税を支払う必要があります。また、相続した土地を売却して利益が出た場合には譲渡所得税という税金もかかります(ただし一定の条件に基づく控除あり)。相続した土地の資産価値が低い場合であっても、税金は発生するため注意が必要です。

    ② 管理義務が発生する
    土地を相続したら、所有者として適切に管理していかなければなりません。空き家付きの土地の場合、建物の劣化を補修せず放置していると、自治体から「特定空き家」に指定され、固定資産税が大幅にアップするおそれがあります。また、さら地であったとしても、雑草などが生い茂ると近隣住民から苦情が出るリスクもあるため、定期的に除草や清掃を行うなどの作業が発生するでしょう。

    ③ 第三者への損害賠償が発生する可能性がある
    相続した土地から土砂崩れが発生したり、土地上の工作物(塀、空き家など)の倒壊によって第三者に被害を生じさせたりした場合には、第三者への損害賠償義務が生じるおそれもあります。

2、土地を相続する場合、相続人で土地を分割する方法とは?

土地の相続は、形状によって公平な分割が難しいこともあり、適切に話し合いを進めていくことが重要です。以下では、相続の基本的な流れと土地を分割する4つの方法について説明します。

  1. (1)相続に関する基本的な流れ

    相続が発生した場合には、以下のような流れで遺産相続手続きを進めていきます。

    ① 遺言書の有無の確認
    相続が発生した場合には、まずは、遺言書の有無を確認します。遺言書が見つかった場合には、遺言書の内容に従って遺産を相続します。

    ② 遺産分割協議
    遺言書がない場合には、相続人全員による遺産分割協議によって、遺産の相続方法を決めていきます。遺産分割協議が成立した場合には、遺産分割協議書を作成して、合意をした内容を記載します。

    ③ 遺産分割調停・審判
    遺産分割協議で、相続人全員の合意が得られない場合、家庭裁判所に遺産分割調停の申し立てを行います。遺産分割調停とは、遺産の分け方について家庭裁判所の裁判官・調停員を介して話し合い、相続人全員の合意を目指す手続きです。調停が不成立となった場合は、遺産分割審判に移行して、裁判官が遺産分割方法などを決定します。審判で決まった内容は法的な強制力をもつため、すべての相続人は従わなければなりません。

    ④ 相続手続き
    遺産分割協議などが成立した場合には、合意内容に従って、預貯金の払い戻し、名義変更、相続登記などの各種相続手続きを進めていきます。
  2. (2)土地の相続方法

    土地を相続する方法としては、以下の4つの方法があります。

    ① 現物分割
    現物分割とは、相続財産をそのままの形で各相続人が引き継ぐ方法です。

    たとえば、A土地とB土地という遺産がある場合に、A土地は長男が相続し、B土地は次男が相続するという方法が現物分割です。現物をそのまま引き継ぎますので相続手続きの方法としてはもっとも単純な方法といえます。

    しかし、土地の形状が複雑だったり、建物も相続財産に含まれたりする場合、公平に分割することが難しいといったデメリットもあります。

    現物分割

    ② 代償分割
    代償分割とは、特定の相続人が相続分を超える遺産を取得する代償として、他の相続人に金銭を支払う方法です。

    たとえば、相続財産がA土地(評価額2000万円)のみである場合に、長男がA土地を相続する代償として、次男に1000万円を支払うという方法です。

    代償分割は、代償金によって柔軟な対応が可能ですので、土地や建物など現物分割が困難な遺産が含まれる場合でも公平な遺産分割を実現することができます。しかし、取得した遺産の評価額によっては、高額な代償金を確保しなければならないというデメリットもあります。

    代償分割

    ③ 換価分割
    換価分割とは、遺産を売却したうえで、売却代金を相続人で分ける方法です。

    たとえば、相続財産がA土地(評価額2000万円)のみである場合に、A土地を売却した現金2000万円を長男が1000万円、次男が1000万円取得するという方法が換価分割です。

    換価分割は、分割しやすい現金に換えることで公平な遺産分割を実現することができ、遺産の評価方法でもめることもないというメリットがあります。しかし、遺産によっては売却が難しいものもあり、処分するにあたって時間と費用がかかるといったデメリットもあります。

    換価分割

    ④ 共有分割
    共有分割とは、遺産を相続人で共有する方法ですたとえば、相続財産がA土地のみである場合に、長男が2分の1、次男が2分の1の持ち分でA土地を相続する方法が共有分割です。

    法定相続分に応じた持ち分を設定することによって公平な遺産分割を実現することができるというメリットがありますが、他の共有者の同意がなければ、土地を処分することができないなど利活用が難しくなるといったデメリットが生じます。

    共有分割

3、分割方法が決まったら、相続登記の手続きを

土地の分割方法が決まったら、相続登記を行いましょう。

  1. (1)相続登記の流れ

    どのように土地を分けるかが決まったら、合意内容に従って、相続登記の手続きが必要になります。相続登記は、以下のような流れで行います。

    ① 申請に必要な書類の収集
    相続登記をする場合には、主に以下の書類が必要になります。

    • 相続登記申請書
    • 不動産の登記事項証明書(登記簿謄本)
    • 遺言または遺産分割協議書
    • 被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本、除籍謄本、改製原戸籍謄本
    • 被相続人の住民票の除票または戸籍の附票
    • 相続人全員の戸籍謄本、住民票
    • 固定資産評価証明書
    • 法定相続人の印鑑証明書
    • 相続関係説明図

    なお、遺言の有無や、遺産分割協議で決めた相続割合か法定相続分での相続割合かによって、必要書類は変わります。書類収集や作成に悩んだら相続問題の解決実績がある弁護士に相談することをおすすめします。

    ② 申請書類の作成
    必要書類の収集ができたら、次は、相続登記申請書の作成を行います。相続登記申請書は、法務局のホームページで書式をダウンロードできますので、それを利用して作成するとよいでしょう。

    ③ 登録免許税の算出
    相続登記の申請にあたっては、登録免許税の納付が必要になります。土地を相続した場合の登録免許税は税率0.4%と定められています。

    たとえば、固定資産税評価額が1000万円の土地の場合、税金は以下の通り算出されます。1000万円(固定資産税評価額)×0.4%(税率)=4万円(登録免許税)

    登録免許税は銀行などに納付し、領収書を登記申請書に貼り付けて法務局に提出します。
    3万円以下の登録免許税であれば、収入印紙による納付が認められています。

    ④ 法務局への申請
    申請書類が完成したら、相続した不動産の住所地を管轄する法務局に登記申請書と必要書類を提出して、相続登記の申請をします。

    法務局での審査と登記にかかる期間は、1週間から10日程度です。登記が完了すると、登記識別情報の通知や登記完了証を受け取ることができます。

  2. (2)相続登記は令和6年4月1日から義務化

    相続登記は、令和6年4月1日から義務化されます。正当な理由なく期限内に登記をしなかった場合には、10万円以下の過料の制裁を受けるリスクがあるので注意が必要です。

    また、相続登記の義務化は、今後発生する相続だけでなく、すでに発生している相続も対象になります。

    すでに相続が発生している場合には、以下ふたつの、どちらか遅い日から3年以内に相続登記の申請を行わなければなりません。

    • 改正法の施行日(令和6年4月1日)
    • 相続開始および所有権の取得を知った日

4、土地を相続によって取得したり管理したりしたくない場合の対処法

土地を相続によって取得したり管理したりしたくない場合には、以下のような対処法が考えられます。

  1. (1)売却

    相続人の誰も土地の管理を希望しない場合には、換価分割によって、土地を現金に変える方法が考えられます。市街地など売却がしやすい土地であればよいですが、郊外の土地や農地、山林などの場合には、買い手が付かずに売却できない可能性もあります。
    その場合は、(3)で後述する「国庫への帰属」を検討しましょう。

  2. (2)相続放棄

    相続放棄とは、遺産に関する一切の相続権を放棄する手続きです。

    相続放棄には期限があり、相続開始を知ったときから3か月以内に家庭裁判所に相続放棄の申述をしなければなりません。また、土地のみを相続放棄することはできず、土地以外のすべての遺産も相続することができなくなります。

    なお、すべての相続人が相続放棄をした場合には、最後に相続放棄をした者の土地の管理義務が残る可能性もありますので注意が必要です。

  3. (3)国庫への帰属

    令和5年4月27日に相続土地国庫帰属法が施行されました。相続土地国庫帰属制度を利用することによって、遺産の中の不要な土地のみを国に引き取ってもらうことが可能です。

    相続放棄だとすべての遺産を相続することができなくなりますが、相続土地国庫帰属制度を利用すれば、不要な土地のみを手放すことができるといったメリットがあります。ただし、相続土地国庫帰属制度を利用するためには、一定の条件を満たす必要があり、手続きの利用に時間と費用がかかるといったデメリットもあります。

5、土地の遺産相続に関する問題を弁護士に相談するメリット

相続財産に土地が含まれている場合には、弁護士に相談をすることをおすすめします。

  1. (1)小規模宅地等の特例などさまざまな制度の説明ができる

    相続財産の総額が基礎控除額(3000万円+600万円×相続人の数)を超える場合には、相続税の申告と納税が必要になります。

    しかし、相続税法ではさまざまな特例や優遇制度が設けられていますので、それらを活用することによって、相続税の負担を大幅に軽減することができます。たとえば、小規模宅地等の特例を利用すれば、土地の評価額が最大で80%減額されますので、相続税の負担を大幅に抑えることが可能です。

    弁護士に相談をすれば、このような相続税法上の特例などについてアドバイスをしてもらうことができますので、自分で手続きをするよりも負担が軽減される可能性があります。

  2. (2)適切な分割方法をアドバイスできる

    土地の相続方法には、現物分割、代償分割、換価分割、共有分割という4つの方法があり、それぞれメリットとデメリットが存在しています。どの相続方法が適切であるかどうかは、個別具体的な状況に応じて変わってきますので、まずは、弁護士に相談をしてアドバイスを受けるとよいでしょう。

    また、弁護士は相続人に代わって遺産分割協議を行い、遺産分割でもめているようなケースにおいても、紛争が深刻化しないよう尽力します。

  3. (3)相続登記手続きを依頼できる

    土地が相続財産に含まれている場合には、相続登記が必要になります。また、相続財産の総額が基礎控除額を超えている場合には、相続税の申告も必要になります。

    ベリーベストには、弁護士だけでなく司法書士や税理士も在籍しているため、ひとつの窓口でワンストップの対応が可能です。相続登記や相続税の申告が必要な事案であっても適宜連携し、スムーズな相続をサポートします。

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6、まとめ

相続財産に土地が含まれている場合には、相続財産の評価方法や遺産分割方法をめぐって相続人同士でトラブルが生じる可能性が高くなります。弁護士は土地の相続に限らず、遺産分割協議や、相続放棄まで、幅広く相続のトラブル解決に努めます。相続問題でお困りの方は、相続問題の解決実績のあるベリーベスト法律事務所までお気軽にご相談ください。

この記事の監修
ベリーベスト法律事務所 Verybest Law Offices
所在地
〒 106-0032 東京都港区六本木一丁目8番7号 MFPR六本木麻布台ビル11階 (東京オフィス)
設立
2010年12月16日
連絡先
[代表電話] 03-6234-1585
[ご相談窓口] 0120-152-063

※代表電話からは法律相談の受付は行っておりません。ご相談窓口よりお問い合わせください。

URL
https://www.vbest.jp

※この記事は公開日時点の法律をもとに執筆しています。

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