相続税は原則として納期限までに現金で一括納付するものです。しかし、現金で一時に納付することが困難な場合には、一定の手続きと条件のもと年賦延納が認められます。延納期間中には年3.6~6%程度の利子税を支払う必要があります。延納の分割は場合に応じて5年~20年の延納期間が認められています。
延納の条件は次の①~④です。
延納の期間や利子税については、相続財産の構成と、担保として何を提供できたかによって異なります。
利子税の割合は、相続財産の中の不動産が占める割合や延納期間によって、原則年3.6%~年6.0%となっています。具体的には次の通りとなります。
ただし、利子税については金利が低いときは一定の割合でその率が下げられます。
物納とは、現金によっても延納によっても納税が困難な場合に、現物で相続税を納めることです。ただし、納税が困難な金額が限度です。
物納の許可を受けるには、以下の要件のすべてを満たす必要があります。
物納できる財産の種類と順位は次の通りです。
管理処分不適格財産、たとえば担保権が設定されている、所有権の争いがある、といったような財産は物納することができません。
市場での不動産売却が難しいと考えるときは、万が一にも、高く売れることはありません。条件にあった売却をしようと思ったら、何年間もかかってしまいます。それならば、物納すると決めて、そのために必要な手続きを進めましょう。物納は、要件さえ満たしていれば引き取ってもらえます。そのための測量や境界確定、さらには、不動産鑑定の費用などの先行投資も前向きに考えるようにしましょう。