相続税とは、被相続人の遺産をもらったときにかかる税金のことをいいます。課税遺産総額が「基礎控除額」を超える場合は課税対象となるため、相続税を計算して申告し、相続税を納付することが必要です。相続税は、発生する相続・遺贈・死因贈与・生前贈与のいずれかがあったときに発生します。
相続税を算出するには、相続財産のうち相続税の課税対象となる部分の価格をまず計算します。次に遺産全体にかかる相続税の総額を算出し、この総額をもとに各相続人に割り当てられる相続税額を計算しましょう。最後に各相続人に適用できる税額控除を行うと、実際に納付する相続税が確定するので、申告・納付をすれば相続税の手続きは完了します。
相続税の申告は、被相続人の所有財産に関する資料を収集し、おおよその相続財産の内容と評価額を算出するところから始めます。同時に、被相続人の亡くなった日までの所得についての所得税の申告である「準確定申告」も並行して進めましょう。財産の評価額が確定したところで相続税の概算額を再度計算し、納税資金が足りるかどうかを確認します。納税資金が不足する場合は、不動産を売却するなどして資金を確保することが必要です。
次に、相続人間で遺産分割協議を行い、協議がまとまれば合意内容に従って遺産分割を進め、申告書にも記します。相続税の納付期限は、相続発生開始から10ヶ月以内なので期限内に申告書を提出し、相続税の納付も済ませましょう。
相続税の課税対象となる相続財産は、現金・預貯金などの金融資産や土地・家屋などの不動産、貴金属・宝石などの動産、著作権・特許権などの各種権利があげられます。被相続人が事業を営んでいた場合は、事業に使用していた機械や備品なども相続財産になります。これらのほか、生命保険の死亡保険金・死亡退職金などの「みなし相続財産」や、被相続人の死亡から3年以内に贈与された財産、相続時精算課税の適用を受ける贈与財産も対象となります。
一方、相続税の課税対象とならない相続財産には、合計しても非課税枠の範囲内であるもの、3年以内に相続人でも遺贈を受ける人でもない人(孫など)に贈与した財産、礼拝道具や仏具など法令によって課税対象とならないと定められたものの3種類があります。
相続財産の総額が基礎控除額を超えた場合は相続税の課税対象となり、相続税の申告が必要です。課税遺産総額がゼロ以下になる場合には相続税の申告をする必要はありませんが、「小規模宅地等の特例」や「相続税の配偶者控除」などを利用した場合は、課税遺産総額がゼロ以下になったとしても申告をしなければなりません。申告期限までに遺産分割が終わらなかったために法定相続分に従って申告したケースなど、申告後に税額の増加・減少があった場合には修正申告・更正の請求を行い、税額を訂正します。
生前贈与を受けている場合は、暦年課税制度と相続時精算課税制度のいずれを利用しているのかによっても相続税が変わってくるため、専門家に相談されることをおすすめします。
相続税は、納期限までに現金で一括納付することが原則です。しかし、現金で一括納付することが難しい場合には、5年~20年を限度に年賦延納が認められています。延納期間中には、年3.6~6%程度の利子税を支払うことが必要ですが、利子税の税率は相続財産の中の不動産が占める割合や延納期間の長さによって異なります。
延納によっても現金で相続税を納付することが困難な場合には、納付が困難な金額を限度に、国債や不動産、株式、動産などの現物を用いて相続税を納めることができます。物納をする場合には、相続税の納付期限もしくは物納申請期限までに物納申請書などの必要書類を作成し、税務署長に提出することが必要です。
相続税の申告を行うためには、数多くの書類が必要となります。まずは法定相続人の範囲を確定し、遺産分割の方法を決めるために、被相続人の除籍謄本や住民票の除票、各相続人の戸籍謄本や住民票などの身分関係の書類を用意します。
次に、土地・建物などの相続税評価額を算定するための書類や、被相続人の預貯金の額といわゆる名義預金を把握するための書類を準備します。相続財産の中に有価証券があれば、その評価額を算定するために、証券会社の預かり証明書や配当通知書なども必要です。借入金や未払金、未納になっている税金がないかどうか、債務に関する書類についても確認しておいたほうがよいでしょう。その他、生前贈与をした財産や被相続人の収入状況を確認するために申告書なども必要になります。
被相続人の死亡届が市町村役場に提出されると、役場から税務署へ相続開始が報告されます。被相続人が不動産や預貯金を多く所有している場合は、税務調査の対象となる可能性があります。税務調査は、被相続人の3回忌が終わったころに行われるのが一般的です。
税務調査では、土地の評価額が適正かどうか、預貯金額にもれがないかなどを確認されるほか、死亡保険金などのみなし相続財産や相続開始の3年以上前に行われた贈与の有無に関する調査をされることもあります。
高価な骨董品や隠し財産が発見された場合には、追徴課税の対象となりますので、税務調査が来ても慌てなくてすむよう、生前から被相続人の財産を把握しておく、遺産総額が高額になる場合は税理士に相談するなど、あらかじめ備えをすることが大切です。
実際に相続税額がいくらになるのかをシミュレーションしてみましょう。まず、相続税額の計算をする前に、相続財産の価額から債務を控除した課税価格を算出します。相続財産の中には死亡保険金や死亡退職金などのみなし相続財産を入れることを忘れないようにしましょう。
次に、課税価格の総額から基礎控除額を差し引いて課税遺産総額を算出し、各相続人が遺産を法定相続分に応じて取得したものとみなして課税遺産総額を按分します。それに超過累進税率をかけて合算したものが、相続税の総額になります。相続税の総額を相続または遺贈により取得した各人の課税価額の割合に応じて按分した金額から、相続人ごとに適用される加算・控除を行うことで、各相続人が納めるべき相続税額がわかります。
不動産を相続した場合、相続した人は不動産の登記名義の変更手続(相続登記)が必要となります。
相続登記には、法律上決められた期限というものは無く、相続登記をせずに放置していても罰則はありませんが、相続が発生して不動産を取得したにもかかわらず、相続登記せずに放置したことにより、不動産を活用できない、将来的に相続人同士でトラブルになるなど、問題を引き起こす可能せいがあります。そういった事態を避けるためにも、不動産を相続したら早めに相続登記を行うことをお勧めします。
準確定申告とは、確定申告の対象者であった方が年の途中で亡くなった場合、その年の1月1日から死亡した日までの所得について相続人が代わりに税務署に確定申告をすることをいいます。
通常の確定申告とは申告の期限が異なり、相続の開始を知った日の翌日から4ヶ月以内に申告と納税をしなければなりません、また相続人が2人以上いる場合は追加の書類も必要となります。
人が亡くなると、亡くなった方の権利や義務を、法律の定める範囲で親族が承継します。
相続は、人が亡くなると自動的に発生するため、遺産(相続財産)を今後誰がどのようにするか(遺産分割協議といいます)、相続があったことを対外的に明らかにする必要が出てくるため、様々な手続きが必要になります。
ベリーベストでは、遺産相続による土地や建物の名義の変更を行う、相続登記を承っております。
家庭裁判所への相続放棄申述書の作成や、未成年者が遺産分割協議をするにあたっての特別代理人選任申し立て書の作成等も行います。
その他、相続登記には、被相続人の出生から死亡までの戸籍類をすべて集める必要があるため、登記の前提としてこれらの書類集めもご依頼頂けます。
一方で、遺産分割協議書の作成も必要です。遺産分割協議書は、不動産、預貯金等の名義変更や相続税の申告書への添付だけでなく、相続人間の分割内容の合意、確認、法的に分割が終了したことを明確にするといった意味もあり、とても重要な書類です。
ベリーベストでは、相続人の皆様との協議に基づいて、最適な形での遺産分割協議書の作成いたします。
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