遺言と遺書の違いはなんですか?
「遺言を書きましょう」と言うと、「縁起でもないことを言うな」と怒る人がいます。
しかし、この人は、遺言と遺書をはき違えてしまっています。
遺書とは、自分の死後に残される家族、友人、知人など親しい人に向けて、自分の気持ちを伝える手紙のことで、主として、死期が間近に迫った人や自殺をする人が残すものです。
これに対し、遺言とは、自分の死後に、認知、相続人の廃除、相続分の指定、遺贈などの権利変動を生じさせる目的で、一定の方式によってなされる単独行為をいいます。
つまり、遺産を誰にどのように配分するかなど、権利変動を生じさせるような意思表示が含まれていれば遺言、含まれていなければ遺書だと区別できます
自分が亡くなると困る人や、自分に良くしてくれた人のために、感謝の気持ちをもって、自分の残した財産を配分することが遺言の目的なのです。
ですから、縁起が悪いとかいう筋合いのものではありません。
むしろ、遺言は「お世話になった人への感謝状」であると言えるでしょう。
【関連記事】子どもから親にすすめる遺言作成