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兄が遺産隠しをしている!? 相続財産を隠された場合の調査方法や対処法

2019年07月17日
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兄が遺産隠しをしている!? 相続財産を隠された場合の調査方法や対処法

兄などの相続人が「遺産隠し」をしていることが疑われる場合、隠された財産を調査したり、発見する方法はあるのでしょうか。また遺産分割協議が終わった後に特定の相続人による財産隠しが発覚した場合に遺産分割協議のやり直しができるのでしょうか。
弁護士が解説します。

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1、兄が提示してきた相続財産、本当にそれで全部?

兄弟で父や母の遺産を相続した場合、親と同居していた長男などが親の預貯金などの遺産隠しをするケースがあります。
そのようなとき、兄は「親の遺産はこれだけだ」と言って一部の預貯金のみ開示しますが異常に少ないケースもありますし、まったく開示に応じないケースなどもあるので他の相続人は到底納得できません。

このように被相続人と同居の相続人が遺産隠しをしたとき、他の相続人が隠された財産を探す方法はあるのでしょうか?

遺産隠しが行われたとき、特別な方法で一気にすべての相続財産を探す方法はありません。預貯金、土地建物などの不動産、株式などの有価証券など個別の相続財産を相続人が根気よくコツコツ探していく必要があります。

2、遺産隠しが疑われる場合、相続財産はどのように見つけるの?

遺産隠しを疑う場合、具体的にどうやって隠された遺産を探せば良いのかご説明します。

  1. (1)本人を問い詰める

    よく行われるのは本人を問い詰める方法です。しかし現実には遺産隠し行為をするような相続人は、問い詰められても真実を話さないケースがほとんどなので、ごまかされてしまう可能性が高くなります。

  2. (2)貸金庫、預貯金の調査方法

    被相続人名義の預貯金や貸金庫を調べたい場合には、被相続人が契約していそうな金融機関に行って残高証明書を発行してもらったり貸金庫の契約状況を確認したりします。戸籍謄本などの「相続人であることを証明できる資料」を持参すれば、情報開示してもらえます。

  3. (3)株式などの有価証券の調査方法

    株式、投資信託などの有価証券類がある場合には、預けていると考えられる個別の証券会社に問い合わせをします。するとその証券会社に預けている資産状況を開示してもらえます。最近ではネット証券を利用しているケースもありますので、注意しましょう。

  4. (4)不動産の調べ方

    不動産については、不動産がある市区町村役場に行って名寄せ帳(固定資産課税台帳)を開示してもらいます。するとその市区町村内に被相続人が所有している土地建物について全ての情報を開示してもらえます。

  5. (5)遺産分割調停や審判を申し立てるとどうなるか

    兄などが遺産隠しをしていて相続人同士が争っている状態で遺産分割調停や審判を申し立てた場合、「遺産の範囲が明確になっていない」という理由で申し立てを受け付けてもらえなかったり途中で打ち切りにされたりします。遺産分割調停や審判は、法定相続人全員に「遺産の範囲」についての共通認識があることを前提に、その「分け方」を話し合う手続きだからです。
    明らかに相手が預貯金を隠していて怪しい場合、調停委員が相手に開示するよう説得してくれることもありますが、強制ではありません。裁判所からの調査嘱託までやってもらえるケースは非常に少ないのです。 相手が開示しない場合には、その預貯金については「ないもの」として話を続けるか、調停を取り下げて遺産確認訴訟などを起こす必要があります。

    結局遺産隠しが行われたとき、裁判所が積極的に探してくれるわけではなく相続人自身が自力で財産を特定して裁判所に示す必要があるということです。

3、相続財産(預貯金)を自分で調査する方法と弁護士へ依頼するメリット

被相続人名義の預金が隠されたときに、相続人が自分で調べる方法と弁護士に依頼する方法との違いをみてみましょう。

  1. (1)隠された預貯金を調べる方法

    相続財産調査で預貯金を調べるには、被相続人の預金口座がある銀行や信用金庫などの金融機関を特定する必要があります。自宅の近くや被相続人がしょっちゅう出入りしていた銀行、郵便が届いている金融機関などにあたりをつけましょう。
    そして戸籍謄本や運転免許証などの本人確認書類、相続関係説明図や印鑑などの必要書類や必要物を持って該当の金融機関に行きます。二度手間にならないよう、事前に書類開示のためにどういった資料が必要か確認しておきましょう。
    銀行に行ったら、被相続人が死亡した日にちの「残高証明書」や被相続人の死亡前後期間の「取引明細書」を発行してもらいます。
    残高証明書はその日1日分のみの残高がわかるもの、取引明細書は数ヶ月や数年にわたる入金や出金の明細がわかるものです。
    この作業をすべての心当たりの金融機関で行う必要があります。

  2. (2)弁護士へ依頼するメリット

    遺産隠しが行われたときの相続財産調査を弁護士に依頼することも可能です。
    弁護士が対応する場合にも、方法は基本的に法定相続人が調べる場合と同じです。弁護士などの専門家でも全国の金融機関を一挙に調べることはできず、個別の金融機関に弁護士法23条照会をかけて開示を求め続ける必要があります。
    ただし弁護士に依頼すると、弁護士が必要な作業を相続人に代わってすべて行うので、相続人たち自身は必要書類を集めて金融機関に足を運ぶ必要がなく、大きく手間を省くことが可能です。
    また弁護士が開示された資料を一覧表にまとめるので、情報が整理されて見やすくなります。怪しい出金などがあれば弁護士が見つけて指摘するので、相手による使いこみを明らかにできるケースもあります。相続人が自分たちで見ても気づかないような不正でも、法律の専門家である弁護士であれば気づくケースが多々あります。

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4、遺産分割協議後に遺産隠しが分かった場合の対応方法

相続人同士で遺産分割協議を行うときには遺産隠しが明らかになっておらず、協議成立後に「遺産隠しがあったのではないか?」と疑われるケースがあります。
その場合、遺産分割協議のやり直しができるのか、注意点も含めて解説していきます。

  1. (1)遺産分割のやり直しは可能

    まず、遺産隠しが発覚したときに遺産分割協議のやり直し自身は可能です。
    いったん成立した遺産分割協議をやり直せるのは、以下のような場合です。

    ●法定相続人同士が合意してやり直す
    遺産分割協議に参加する資格のある法定相続人が全員「やり直し」に納得して合意して解除すれば、遺産分割協議をやり直せます。
    遺産隠しがあったこととその根拠を他の相続人に示し、他の相続人全員に納得してもらってあらためて遺産分割協議を進めましょう。

    ●詐欺や強迫があった
    特定の相続人や第3者による詐欺や強迫があった場合にも遺産分割協議を取り消せます。
    たとえば遺言書があるのに隠されていた場合や預貯金などの相続財産を隠されていた場合などには詐欺になる可能性があります。

    ●錯誤無効
    遺産分割協議の成立後に遺言書が発見された場合や、遺産隠しのせいで預貯金が存在しないと誤解していた場合などには、錯誤無効を主張して遺産分割協議をやり直させることが可能です。

    ●資格のない者が参加していた、資格のある者が欠けていた
    すでに相続放棄した人や相続欠格者などの資格のない人が参加していたり、反対に法定相続分を有する相続権者が外されて遺産分割協議が行われたりした場合には、遺産分割のやり直しが可能です。

  2. (2)時効と相続税に関する注意点

    遺産隠しを理由に遺産分割協議をやり直す場合、「時効」に注意が必要です。
    詐欺にもとづく取り消し権は、だまされたと知ってから5年以内に行使する必要があり、その期間を超えると取り戻しは不可能となります。
    錯誤無効の主張にもとづく不当利得返還請求権は10年で時効にかかります。
    これらの期間を超えると遺産分割協議のやり直しはできなくなりますので、遺産隠しが発覚したら早めに主張することが重要です。

    もうひとつは相続税に関する問題です。
    遺産を相続したら相続税申告と納税をしなければなりません。
    相続人全員の合意によって遺産分割協議をやり直した場合、まずは最初の遺産分割協議の結果に従った課税が行われます。その後、遺産分割協議をやり直して合意すると、その内容に応じて「財産の譲渡」があったと扱われて再度、譲渡所得税が課税されます。
    つまり遺産分割協議を合意解除してやり直すと、2重に相続税が発生する可能性があるということです。

    一方詐欺取り消しや錯誤無効によるやり直しの場合には、最初の遺産分割協議に対する課税は発生しないので、2重課税にはなりません。ただしあらためて成立させた遺産分割方法によっては、配偶者控除などを適用できず相続税が上がってしまう可能性があります。

    高額な資産があるケースで遺産分割を行うときには、相続トラブルの問題だけではなく相続税課税関係についても意識しておく必要があります。

  3. (3)弁護士を選任して訴訟を起こす

    遺産隠しが行われて遺産分割協議が成立してしまった場合、まずは合意によって遺産分割協議をやり直す方法を検討します。しかし遺産隠しをしていた相続人はやり直しに同意しないことが多いでしょう。
    かといって詐欺や錯誤無効を主張すると、相手は「詐欺や錯誤などなかった」と主張することが多いので、なかなか話し合いでは解決できません。
    そのような場合に遺産分割協議をやり直して隠された預金を取り戻すには、弁護士に依頼して裁判所で遺産分割の無効確認調停や訴訟を起こす必要があります。
    訴訟で遺産分割の無効が認められたら、再度他の相続人全員と話し合いをして遺産分割をやり直すことが可能となります。

    遺産隠しが行われたときに不利益を被らないように適切に進めていくには、相続関係に詳しい有能な弁護士に相談・依頼することが必須です。

5、まとめ

相続開始後は、すぐに預貯金などの相続財産調査をしましょう。親族が遺産隠しをしている可能性が疑われるなら早急に弁護士に法律相談することをおすすめします。
また相続税の税務調査なども問題となるので、税理士によるサポートも遭わせて受けることが推奨されます。
ベリーベスト法律事務所には弁護士をはじめ、グループ会社に税理士も在籍しているので、名義預金や生前贈与の贈与税、申告書作成などの相続対策全般のご相談をお伺いできます。疑問や不安をお持ちの相続者さまは、一度お気軽にご相談ください。

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